遺贈寄付とは?やり方5ステップと3つの注意点をやさしく解説

遺贈寄付とは、遺言書を作って、亡くなったあとに財産の全部または一部を団体や自治体などに寄付することです。「人生最後の社会貢献」とも呼ばれます。金額の大小は問いません。家族に残したうえで、一部だけを社会に——という形でも行えます。この記事では、進め方の5つのステップと、失敗を防ぐための3つの注意点を解説します。

遺贈寄付には3つの形がある

ひとくちに遺贈寄付といっても、実際には次の3つの形があります。

  • 遺言による遺贈:本人が遺言書で寄付先と内容を指定しておく、いちばん基本の形
  • 相続財産からの寄付:相続人が、受け取った遺産の中から故人の想いをくんで寄付する形(税制上の特例は相続財産の寄付と税金で解説)
  • 生前の準備を組み合わせる形:生命保険や信託の仕組みを使って、亡くなった後の寄付をあらかじめ設計しておく形

この記事では、中心となる「遺言による遺贈」を軸に説明します。

進め方は5ステップ

ステップ1:想いを言葉にする

寄付先を探す前に、「誰の、何を支えたいのか」「どの地域に残したいのか」を言葉にしておきます。ここが決まると、その後の選択がぶれません。

ステップ2:寄付先を選び、受け入れ可否を確認する

候補の団体に、遺贈を受け入れているか、不動産などの現物も受け入れ可能かを事前に確認します。ここを飛ばすと、あとで遺言の作り直しになりかねません。全国レガシーギフト協会の相談窓口や、各団体の遺贈寄付ページが入口になります。

ステップ3:財産の範囲を決める

家族の生活を最優先にしたうえで、寄付に回す財産と金額を決めます。後述する遺留分への配慮がここで重要になります。

ステップ4:遺言書を作成する

確実に実行するには、公証役場で作る公正証書遺言が一般的です。寄付先の正式名称・所在地を正確に書き、遺言の内容を実行する遺言執行者を指定しておきます。

ステップ5:保管と見直し

遺言書は作って終わりではありません。寄付先の状況や家族構成が変わったら、内容を見直します。

失敗を防ぐ3つの注意点

注意点1:遺留分に配慮する

配偶者や子どもなど一定の相続人には、遺産の最低限の取り分(遺留分)が法律で保障されています。これを無視した遺言は、死後に寄付先と家族の間でトラブルを生みかねません。家族と事前に想いを共有しておくことも、実務ではとても大切です。

注意点2:不動産や株式は、そのままでは受け取れない団体が多い

現金以外の財産は、換金の手間や税金の問題があるため、現物のままでは受け入れない団体が少なくありません。売却して現金化してから寄付する設計(清算型遺贈)にするか、現物を受け入れられる先を選ぶか、事前の確認が必須です。詳しくは不動産・株式の寄付で解説しています。

注意点3:遺言執行者を決めておく

遺贈は、遺言の内容を実際に実行する人がいて初めて実現します。弁護士・司法書士などの専門家や信託銀行を遺言執行者に指定しておくと、家族の負担を減らせます。

寄付先に迷ったら:特定の団体への寄付だけでなく、名前を冠した基金を作って複数の活動を支える形(冠基金)や、目的を決めて長く配り続ける公益信託という形もあります。金額や想いに合わせた器の選び方は寄付の器の選び方をご覧ください。

よくある質問

いくらから遺贈寄付できますか?
決まった下限はありません。数万円の遺贈もあれば、不動産を含む大きな遺贈もあります。金額の多寡よりも、家族の生活とのバランスと、確実に実行される形を整えることを優先してください。
遺贈寄付に税金はかかりますか?
国・自治体や公益法人など一定の先への遺贈は、その財産に相続税がかからない扱いになるのが基本です。ただし不動産などの現物寄付では別の税金(みなし譲渡所得課税)が問題になる場合があります。個別の判断は必ず税理士に確認してください。
家族には知らせるべきですか?
法律上の義務はありませんが、知らせておくことを強くおすすめします。想いが共有されていれば、死後のトラブルの多くは防げます。

本記事は2026年8月28日時点の公開情報に基づく一般的な解説です。遺言・相続・税務の取り扱いは個別の事情によって大きく異なります。実行の前に、必ず弁護士・司法書士・税理士等の専門家と寄付先にご確認ください。公益信託.comは株式会社KAKUKATAが運営する民間サービスであり、国・地方自治体の公式サイトではありません。

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