公益信託のつくり方|認可までの流れ・受託者の選び方・準備すること

公益信託を作る道のりは、大きく5つの段階に分かれます。①目的を言葉にする、②受託者(引き受け手)を見つける、③信託の中身を設計する、④内閣府に認可を申請する、⑤認可・公示を受けて運営を始める。2026年4月の新制度では認可の基準が法律に明記され、受託者の候補も信託銀行以外に広がりました。この記事では、段階ごとに準備することと相談先を整理します。

段階1:目的を「支える相手が見える言葉」にする

認可審査でも実際の運営でも、出発点は信託の目的です。「教育のため」では広すぎます。「〇〇県の児童養護施設出身者の進学を支える奨学金」のように、支える相手・地域・支援の形が見える言葉まで具体化しましょう。あわせて、託す財産の種類と規模、続けたい期間、家族の理解も、この段階で整理しておきます。

段階2:受託者を見つける

公益信託は、受託者が引き受けてくれて初めて成立します。新制度での受託者候補は、大きく3タイプです。

  • 信託銀行・信託会社:財産管理の体制が整った、従来からの中心的な担い手
  • 公益活動を行う法人(NPO法人・公益法人など):支援分野の現場を知る担い手。こども食堂支援のNPO法人むすびえが受託した事例が実際にあります
  • 一般社団法人など:特定の目的のために組成された担い手。学生の地域活動を支える基金を一般社団法人が受託した事例があります

受託者には、財産を適切に管理する体制と、目的の分野で公益事務を遂行できる力が求められます。誰に託すかで信託の性格が決まるため、複数の候補と話し、実務の進め方や報酬水準を比べることをおすすめします。

段階3:信託の中身を設計する

受託者と一緒に、信託行為(契約や遺言)の内容を詰めていきます。主な設計項目は次のとおりです。

  • 信託の名称(自分や家族の名前を冠することもできます)
  • 公益事務の内容(助成・奨学金の給付基準、選考の仕組みなど)
  • 信託財産と、追加の寄付を受け入れるかどうか
  • 信託管理人(運営を監督する立場)の人選
  • 期間と、終了時の残余財産の扱い

遺言で公益信託を設定する(亡くなったときに信託が始まる)設計も可能です。この場合は相続の専門家を早い段階から交えてください。

段階4:内閣府に認可を申請する

新制度の公益信託は、公益認定等委員会への諮問・答申を経て、内閣府の認可を受けます。審査で見られるのは、目的の公益性、公益事務の適切さ、受託者の適格性、財産の管理体制などです。申請書類や基準の詳細は、内閣府「公益法人information」の公益信託ページに公式資料がまとまっています。

審査にかかる期間や必要な準備は案件によって異なります。2026年6月以降の認可事例では、申請から認可まで数か月程度で進んだものが公示情報から確認できますが、事前相談を含めれば、構想からは年単位の計画で考えておくのが現実的です。

段階5:認可・公示、そして運営へ

認可されると、信託の名称・受託者・信託管理人・公益事務が国から公示され、誰でも確認できる存在になります。ここからが本番です。助成先の募集と選考、財産の管理、毎年度の報告。受託者と信託管理人が中心になって、目的が果たされ続ける状態を維持していきます。

費用について:設定時の専門家費用と、受託者への信託報酬が主な費用です。金額は財産規模や設計によって大きく変わるため、この記事では目安を示しません。受託者候補から必ず具体的な見積もりを取り、複数を比較してください。

相談先の整理

相談したいこと相談先
制度・認可の公式情報内閣府「公益法人information」
受託の可否・実務信託銀行、信託会社、公益活動を行う法人などの受託者候補
遺言・相続との組み合わせ弁護士、司法書士、税理士などの専門家
そもそも公益信託が合うのか器の比較から。寄付の器の選び方も参考に

本記事は2026年8月28日時点の公開情報に基づく一般的な解説です。認可の要件・期間・費用は個別の案件によって異なります。実行の前に、必ず一次情報と受託者候補・専門家にご確認ください。公益信託.comは株式会社KAKUKATAが運営する民間サービスであり、国・地方自治体の公式サイトではありません。

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